鏑木清方


三部作を見ました
解説を読むと、浜町河岸、築地明石町、新富町
それぞれ、だんだんと、年齢があがる、女性が描かれてる
とのこと。


ぱっとみて、若い浜町河岸の女性が、ひきたつ。
流水紋の、色合いとしては、おちついたといっていい着物
ながら、帯揚げ、しごき帯、そして草履の鼻緒を、鮮やかな
朱色でコーディネートすると見える、おしゃれな娘


築地明石町は、表情。


そして、新富町。新富芸者という芸者が存在した
そうだけど、一番年かさ。その表情のとらえかた。
憂いのある、一瞬。


憂いを帯びた、女性の表情にひかれた
ということでは、一か月まえくらい、コートールドコレクション
フォリー・ベルジェールのバーを思い出します
構図の面白さもあるけど、なんといっても、美しい女性の
それも憂いの一瞬の表情。
だけど、このマネの絵、いいんですけど、そういう意味では
鏑木清方も負けていない。それにやっぱり日本人、ちょっと
鏑木清方のほうを、ひいき目で見るということもやって
しまいそうです


築地明石町。解説に「美人画」は「生え際」がポイントと
でてきます
いろんな、たとえば、映画の一シーンにもあるのですが
女性のふわっとかかる、後れ毛もあるような、きれいな
髪の表情。それもえらく、ていねいに、一本の髪まで
描き切ってる。
この一本の髪をどう、ゆらそうか、そうしたことに
いちいち、気持ちを込めてるとまで、感じるのです


美人画から、いきなり、動物の表現ですが、
3年前に、木島櫻谷の絵をみたときに、確か、ライオンです
ライオンの毛皮の一本まで、神経が行き届いてるのを
感じて、おお、っと思ったのです


木島は、動物園に通ったそうですが、一本の毛皮の表現を
くりかえし、研究するために、その日、使ったなんて
あったのでは?と思うような、想像が働きました


なぜ、そこまで、こだわるのか
それは、やっぱり芸術。その人の命、生き方そのものだと
いえるのでしょう
鏑木清方、素晴らしい。