美人画

上村松園美人画を見ました
いいえ、見とれていました


山種美術館にて、「上村松園美人画の世界」という
展覧会が開かれています。入ってはじめの部屋
「新蛍」「夕べ」という作品が目に飛び込みます


すだれのすきまから、のぞく美人
そういう似てる構図ながら、その体の線
表情、もちろん、髪型、髪飾り、着物
それぞれ、違いをだして、こちらをひきつけるのです


美人、ということで、顔に目がいくのも
あるのですが、立ち姿そのもの、また
すだれを使った、一部がみえていて、半分かくれてる
様子というのが、日本人好みであり、見えそうで
見えない、そういう、ところにまたひかれるのです


12月に、鏑木清方の、三部作、「大川端」「明石町」「新富町
をみて、美人画に大きく、気持ちが動きました
和服の女性の美しさって、なかなか、詳細が目に入るって
なかなかなかったのですが、今回は、かなり気持ちが動きました
そういう、ことがあっての、上村松園です


女性の美しさをうたった、絵、で好きな絵を思い浮かべると
洲之内コレクション、ポアソニエールを思い浮かべます
また、これも12月にみたのですが、横浜美術館
オランジェリー美術館の、ポール・ギョームコレクション、
アンドレ・ドランの「画家の姪」という作品です


どうも私は、透明感のある、ふわっとした
女性の存在がいいと思う傾向があるようです
そういう意味では、今回、上村松園の「新蛍」であり
また、鏑木の「新富町」にひかれるのは、少し表情に
含みがあるといっていい、そういう存在なのに?という
ことも浮かびます


それはどうも、単純な味付け、たとえば、塩味
しょうゆで食べる、お刺身を好んでいた人が
それより、複雑な味、それはなんでしょう?
発酵した味だとか、お酒をうまくつかった料理など
一段、仕事がしてある、料理に目覚めるそういうことと
近いでしょうか?


少し前のこのブログに、鏑木の新富町
マネの、フォリー・ベルジェールのバーを比べてみる
なんてことを、書いていますが、「新蛍」の表情は
そのどちらともちがう。また不思議な世界を
追いたくなる、そんな気持ちです