鎌倉の話

瑞泉寺には、梅という感覚があります
瑞泉寺は、たたずまいがいいのでは?とも
思ったりします


鎌倉宮をすぎて、静かな道、谷間にはいっていく
という道を進めば、ああ、静かな空間を
味わえるのだと、期待が高まります
だいたい、鎌倉の寺は、「谷:やつと呼ばれる」
がある、場所にあり、そして谷が音を吸い込む
ように思うのです


この「音を吸い込む」というのは、駅からも近い
妙本寺でよく思っていました
時間がない、だけど、いいお寺に鎌倉で行きたい
そういうとき、門前までは駅から7,8分だろうという
妙本寺、なかなかいいです。その良さのひとつが
谷ゆえの、静けさです


さて、瑞泉寺。たくさんの文人が集まったというのは
境内に、歌碑があったり、文献で知るのみなのですが
立原正秋、という名前もあります
最近、小説を読んだら、その登場人物のひとりが立原の
ゆかりの人で、「食べる」ということに立原はとても
こだわりがあった、という話を読みました


そんなことから、立原の作品、読んでみたくなりました


いまでも、予約が可能なのかどうか、全然確かめてない
のですが、川端康成は、自殺するわけですが、その日?だったか
そのあとだったか、瑞泉寺に、精進料理を予約してあった
という話を聞いたことがあります


その話を最近、思い出したのは、光明寺に参拝したときに
精進料理、予約受付ますとの、案内を境内で見たからです


鎌倉の古刹で、お料理がいただけたら、それはただ、参拝
するのと、違う味わい方ができそうと、期待します


先日、建長寺において、さん碧池なる、緑が映る池を
縁側にすわり、少し楽しみました
立って、みてるのと、建物の(寺だったら、縁側いいですね)
どこかにすわって、みるのとずいぶん景色が変わります
そういうことを、改めて気づかせてくれました


鎌倉を歩きたい、そういう人がいたら、ぜひ
鎌倉の寺の静かなことを、教えてあげたい
有名な大寺にいくのも、それはなにかの「話のたね」と
いった意味では楽しみは否定しないが、やっぱり寺は
静けさがあってこそ、その存在が迫ってくるように
思うのです