自然な演技

是枝裕和監督の、海街ダイアリー、気に入っています
それは、大好きな鎌倉のご当地映画だからがひとつめ。
たとえば、長澤まさみ演じる佳乃と、夏帆演じる千佳が
笑いながら、りんごを買う、八百屋。あ、あの御成通りのね
って、いう感じで、ちょっとした、切り取られた場面でも
私は、鎌倉の町を知ってるって、ところかしら?


もうひとつは、でてくるキャストがいい感じだと
思えること


綾瀬はるか演じる、幸は、恋人の医師から
アメリカにいっしょにいかないか?という
事実上のプロポーズを、気持ちは揺れながら
断るのですが、その海辺で話すシーンなんて
とっても、自然さ(つまり、揺れてる心も
ありながらという自然さ)がでてるようで
好きです


この私が言ってる、自然さ。これは是枝監督の演出に
ひとつ、ポイントがあると、感じます
というのは、是枝監督は、基本、演じる役者にどう
演じるかは、任せるということを、聞いたことがあります
つまり、海街、でいえば、綾瀬はるか長澤まさみ
おそらくは、普段のふるまいに近い、姿をだしてくれてる
のだ、と、思ったりします


そう感じて(実際、ネットなどでみると、二人は仲良しらしい)
綾瀬と、長澤は、佳乃が幸のブラウスを無断で着たなんて
いう、痴話げんかを演じて見せるのですが、それはきっと
どういう雰囲気にするか、二人にまかせてるのでは?と
想像します


映像作品もそうかもしれないです、こうした演劇のあれこれで
演出のしかたとして、演じるその様子を、役者が主導で
にぎるのか、演出家が、細かく指示だすのかということは
いってみれば、ずっと、議論の分かれるところといっていいかも
しれません。


ごく最近、ジャック・ニコルソン(古いか、でも名優にはちがいない)
演じる、「恋愛小説家」という映画を、ビデオでみました
なかなか、いい作品(オスカーにも輝く)です。そして
思うに、ジャックは、どこにいても、ジャックなのです


この話。確か西田敏行がテレビで語っていたのですが
日本でいえば、高倉健。この人はどんな役をやっても
高倉健。そうなのですが、魅力いっぱい・・・


高倉健くらいになると、その存在にあわせた、作品を
用意するのだという、そもそもの進み方ってあるのかも
しれません。ジャックしかりか??


ちょっとだけ、演劇に興味があった、自分としては
やっぱり役者は、その役を自分で作って、いろんな役を
できるのが、すごいのだと思い込んでいたのですが
なにがすごいかって、いうことでなくて
やっぱり、いい作品を作って、みてもらうことがいいことですからね


いい作品に出会えるって、ほっとに、心が豊かになりますね