日本の美

徳川が作った先進国日本 磯田道史


これを読んでいて、17世紀から19世紀にかけて
日本では、内戦のない、また人命を尊重する世の中が
存在して、そのことは、現在の日本の住みやすさに
つながってるという説明があり、なるほど、と
思ったのです


今週みた大河ドラマで、これは基本はフィクションですが
義経は、平気で罪のない、行き会った人を殺すという
シーンがでてきて、ぞっとしました
そう、現在なら、だれでもぞっとする、行為
日本であれば、人命が大切にされるというのは
なによりも、優先だということがあると思います
ところが、先にあげた本では、戦国時代そして
戦国時代をひきずっていた、17世紀前半は
まだまだ、殺伐とした世の中だと、解説します


こうした、日本は、17世紀から、内戦のない世の中が
あったという事実はなんて、素晴らしく、重たい事実か
ということを、よく覚えておきたいと思います


時代は少しさがって、御存じ、日本でいえば、明治の後期
19世紀から20世紀初頭にかけて、日本ブームがあった
ということが、言われています


千葉市美術館にて、「ジャポニズム」、先に書いたところの
19世紀から20世紀初頭の日本ブーム、の一つの言い方
浮世絵にスポットをあてた、展示をみてきました
浮世絵の大胆は、構図、人物表現の巧みさ、これらが
西洋の画家たちをおどろかせ、よく知られてるところでは
ホイッスラー、ゴッホ、モネなど、多くの画家が
日本のアートに、興味をもち、また自らの絵の
世界に大きな影響を与えたということがあります


日本の「美」、西洋の「美」とくくってしまうと
ずいぶん、あらっぽいのですが、たとえば、葛飾北斎
神奈川沖波裏。この超がつくくらい、有名な絵
波がしらがまるで「手」のようですが、これは
今回の千葉市美術館の解説によれば、浮世絵で
というより、日本の絵画で、世界で一番有名とのこと


葛飾北斎と聞くと、昭和のはじめに、ヨーロッパに渡った
高田博厚が、ピカソから、北斎は100歳になったら、自分の絵が
描けるカナといったそうじゃないかと、はげまされたという
話が、あるエッセイにのっていて、よく覚えています
そういう、たとえ話に使われるくらい、北斎は、アートの世界で
いわば、「普通名詞」のように使われたってことですね


北斎のような、画家を生んだ、というのも江戸の町が
あること、江戸の町を生み出した、また江戸で庶民も
含めた、文化を育んだ、という事実があるのを、見逃したくない


日本の良さ、日本のすごさは、まだまだ、たくさんあると
思っています
ぜひ、もっと知って、もっと発信もしたいことです