うつわを選ぶ

今年、親しい人のお祝いがあって、そのとき
ぜひ、使ってほしいなと思う、うつわを選んで送りました


親しい人にうつわを、選ぶというのは、楽しいひとときです
実際のところ、ちがう感覚、感性をもった、人なわけですから
自分が気に入ったからといって、相手も気に入ってくれるか
それは、わかりません
だけど、気に入ってもらえるかな?使ってもらえるかな?
と、思って選ぶこと自体が、楽しいことです


うつわを、くりかえしみていると、自分の好み、というのが
でてくるものです。前に聞いた話、器が好きになると
まずは、色彩が豊かだったり、美しい絵があったりという
うつわが目に留まる。でもしばらくそうした、器をみてると
だんだん、色彩だとか絵というより、その生地そのもの
の美しさ、よく「土もの」と呼ばれる、そうしたうつわに
目がいくようになるとのこと


土もの。もう何年前になるでしょう。たぶん、7,8年はたつと
思うのですが、備前に、備前焼を見に行きました
まだ、早いというか、備前焼って、その良さって、うーんと
うなってしまいますよね


実は冒頭に書いた、今年、親しい人に選んだ、うつわのひとつは
備前焼に近い、「焼き締め」の、マグカップです


備前焼、焼き締めを眺めていると、そのあたたかさといった
なにかが、感じられるようになるのかな、と、思います


備前のものでいえば、どちらも、酒器ですが、ひとつは、焼酎を
のむときの、大き目のカップ、もうひとつは徳利をもっています


表面はざらざら、そして色は、濃い茶色。地味といもいっていい
その存在は、おそらくは、ずっと陶器というものを使いだした
ころから、あるものに、近いようにも、思います


備前焼の作り方を、思うと、釉薬は使わないのですね
つまり、「火」にまかせる。そういう厳しい作り方と
見えてきます


いい材料を使い、火と勝負する。
かっこいいのです


備前焼の作家、金重さんを訪ねたとき、これは安土桃山のころの
花瓶、これは江戸のころのものと、貴重なうつわをみせてもらいました
正直、見せてもらっても、どこがどういいのかというのが
私には、わかりません、と、申し上げると、笑顔で、いいんです
おそらく、明日とかもいっぱいうつわをご覧になるでしょう
そういうとき、今日みたものと、なにかちがうな、それくらいで
いいんですと、おっしゃってる


うつわを、見るということ、楽しいです
そしてあるときから、使うということが、うつわを愛してみる
一番いいことなんだよと、教えてもらいました
使うから、いいものが自分にはいってくるのだと、聞きました
そうなのですね。使ってみる、


この使ってみるということを、やるようになって思うに
自分のなかのいくつかの要素というのが、うつわを使っていて
なにかしら、フラッシュするというか、融合して、いい感じに
なると、いうことかなと、思ったりします


珈琲で、お酒で、いいリラックスした時間があるということ
その時間を、ちょっと薫り高いものにしていく。そういうことの
なにかが、うつわは、存在意義があるのかな、などと
思うのです