備前焼と栗ごはん

備前の里に、訪ねた陶器の作家、金重 愫さんは
「時間をかける」ということの、大切さを語ってくれました
自分は、父親を師として、陶芸の道に入りました
最初の5年間は、土を作ることだけ、やりました
つまり、うつわ作りは、やらないということです
その5年は、自分はなぜ、待つのかとも思いましたが
いまになって思うと、なんて貴重な時間だったかと
思うのです


備前のやきものの、大事なのは、土と火です
その土を知る、土について、理解を深める
このことが、大事なんです。うつわを作ってしまえば
どうしても、自分の作ったうつわがどんな出来だろうとか
そういうことに、気持ちがいきます
大事な土そのものと向き合うということから、はずれます


なにか、強調するとか、なにかこちらに、要求するような
態度はないのです。事実でしょうし、語るということも
事実に裏打ちされた、迫力があるのです


備前焼は土が大事。いいえ、焼き物は土が大事と
いっていいでしょう


「基本を大切にする」そういうこと、口では言いますが
なかなか、行動を伴って、やってるという人が
少ないものですね


そして、世の中は、スピードを求めます
なにか「早い」ことは、価値というすりこみがあります


最近、耳にするようになった「スローフード」はいいのだ
という話がありますね
↑の話とくっついて、いつも思うのは、時間をかけて
食事を作ることの大切さです
矛盾して聞こえるかもしれないですが、確かに毎日忙しい
忙しい世の中のなかで、仕事していれば、どうしても
気忙しい。だけど、できれば1か月に1度でもいい
理想は1週間に1度以上、時間をかけて食事を作る
ということを、したらとってもいいと思います


時間をかける、ということでは、たとえば、栗ごはんなんて
手間がかかります。栗を前の日から水につけておいて
ゆでて、皮をむいて、ご飯といっしょに炊き上げます
量にもよりますが、皮むきは、なかなか時間がかかります


この時間がかかる、そういうことが、自分自身にいいのです
たとえば、いっしょに食べる人のことを、あれこれ
思ったりできる、というのは、とてもうれしい時間です


昨日、食事をした人が、いまの世の中、疲れてる人が
多いのは、食事を疎かにしてるからではないでしょうか?
そういうことをいいました。とてもあたってると思います
食事を疎かにする。一義的には、栄養素のとりいれが
足らないということでしょうけど、食事を疎かにするは
作ってる人も疲弊させるということがありそうです


スローフードのように、大切に扱われた食事であれば
きっと、ちがうのですね、いろいろが。


時間をかけたほうがいいこと
そういうことは、なにか?じっくり向き合うという
ことから、できるもの、大事ですね