うつわの楽しみ

鳥取県、岩井窯の山本教行さん
うつわ、をみて歩く、その楽しみが少しわかった
という感じのころ、うつわは使ってこそいいのだと
教えてもらいました


うつわ、きれいだったり、結構お値段も高かったり。
そうすると、こわしてしまうのが、こわくて、しまいこんでしまう
わりとよく聞くことだし、自分もそうでした
いいえ、山本さんは教えてくれました
使うことによってこそ、いいのだ
そのうつわから、いいものがもらえるのだ。
自分は人間国宝のうつわだって、使う


聞いたときは、ピンとこなかったのです
でも、やってみようと、気に入った作家のものを
買ってくると、使うようにしたのです


ピンとくるというのは、ない
だけど、うつわがもっと好きになったのは事実です


食器だったら、つかってこそ、いいなという気持ちが
高まるものです
これはもう、そうだといっていいでしょう


料理が好きな自分。
料理を盛る、うつわについて、興味をもてたのですね
これが、うつわを、いろいろ見て回る、そういう楽しみに
つながっていきました


うつわを、使うということ
そして、ときには、人が盛りつけたものをみてみる
それで、食べてみる


好きだった、まんが、「美味しんぼ」には
うつわがいかに、大切か、そして日本人の美意識を
育てているか、書いてるところがあります


主人公の父親、海原雄山は、主人公の幼少のころに
市販の子供用の、食器のレベルの低さを、みて
こんなことでは、子供の美しいものを見る目が育たない
として、自ら、子供用の食器を手作りした
というシーンがでてきます


これ、なかなかできないことだし
本当に、食器というのは、その人の美意識を育て
引き出すものだと、今は感じるのです


話は冒頭にもどって、岩井窯の山本さん
民藝のもの、もちろん好きなのだけど、たとえば
食事のとき、これでもか、と、民藝のものばかり
でてくると、うんざりしないか?


このことも、ああ、なるほどと、目から鱗の、一言でした


民藝のうつわ、確かに素晴らしいものも多い
だけど、コンセプトが似てるゆえ、どうしても
受け取る側は、似た印象をもつもの・・・


食事は楽しくしたい
うつわも、ある程度の多様性といったことを
取り入れたほうが、自由、開いてる感覚で、柔軟な気持ちで
見たり、使ったりできる


うーん、なかなか
そういう態度って、例えば、人に相対する
仕事を続ける、趣味の世界でも、いろんな作家にふれる
大事なことと、つなげていける、考え、なのでしょう