好きになる能力

感性、といってもいい
何かを好きになる能力って、大事と思うことが
しばしばあります


この10年くらいで、うつわ、が好きになりました
伊万里焼であり、有田焼といった、見た目
楽しい、色絵のものから
備前、伊賀といった、「土もの」と呼ばれる
土と炎の作り出す、形、模様にも、いいなと思える
ものがいまは、あります


実際、自分がうつわについて、好きとかどうだとかは
遠い世界と思って、40代半ばまでいたのです
ですが、いろんなうつわ、を見るようになり
柳宗悦濱田庄司、河井寛治郎という人となりに
本のうえですが、ふれるようになったりするあたりから
うつわ、に興味がふつふつと、あがってきたのです


去年の12月、青山にある、「うつわ 楓」という
店にて、はじめて、自分で選んで「漆」のうつわを
求めました
それまでも、土ものだったり、いくつかのうつわは選んで
買ってみたりしていたのです。はじめて「漆」もいいなと
思いました


うつわ、実際使いなさいと、教えてくれたのは
鳥取の岩井窯、山本さんでした
使うから、さらによさが見えてくる。使うから自分に
そのいいものを、もらえる
山本さんのところで、求めた土鍋は、我が家の大切な一品として
料理に、ときには、盛る器として、活躍しています


うつわを愛でたりするようになれたのは
ひとつには、料理をしてるということがありそうです
うつわ、をみてるときは、無意識に自分の作ったものを
盛ってみたらどうかなと、想像してるのです


ここで、好きになるということは、想像するということと
連動してるということが、ありそうです
たとえば、場所、であり土地。
大好きになった、信州安曇野。その安曇野を、広くみわたせる
長峰山は、川端康成東山魁夷井上靖が、登ったそうです
その眺めをみながら、川端と東山はどんな会話を
したのか、想像しています


おそらくは、奈良との共通点、相違点なんて話したのかなとか
山を愛でる二人だからでてくる、会話があったのかと
いろいろです


うつわが好きになること
それが、料理作りに生きること


場所、土地が好きになること
好きになった作家が、愛でた場所にいってみること


こんなふうに、好きをつなげてみるというのは
好きになる、能力をあげるように、思います
好きになることが増えれば、人生豊かになる、そう思います