奥村土牛

奥村土牛という画家を好きになって、ずいぶん
経ちます。奥村は、山種美術館創立者、山崎氏と
親しくしていたという記述が、山種美術館にいったときに
あり、その縁で、同美術館に作品が多いという説明が
ありました


JR恵比寿駅から、徒歩10分ほど。坂をのぼりきったところに
入り口に、居心地がまあ、よさそうなカフェのある
山種美術館があります。「日本画専門、美術館」という
別名をもってるとも、言えます


奥村土牛のほか、上村松園東山魁夷といった、やっぱり
自分としても相当気に入ってる、画家の作品を多く持ちます
一番最近は、竹内栖鳳でした。上村松園の師匠にあたる
竹内は、また、別の機会に書きます


奥村土牛の絵のなかで、好きなものはいくつもあります
5年ほどまえ、「醍醐」という作品が、とても美しく
ぜひ、この描かれた場所、醍醐に行きたいと思って
桜の季節に、京都、醍醐寺に行ってみました


絵もいい。だけど、その現地の桜もまたいい
残念というか、いたしかたないとは思いますが
その観光客の多いこと。最寄りの駅から、相当な人が
醍醐寺に向かいます


豊臣秀吉の醍醐の花見で知られるその場所は、聞くと
見るは、やっぱり大違い。いままえみた、どんな寺より
ぜいたくで、豪華に見えました


作家の描いた、絵をみて、その場所にいってみたくなる
こういうことは、「旅」のしかたとして、すっかり
自分のやり方に、なりつつあります


奈良に白毫寺、びゃくごうじがあります
この寺、行く前にやはり日本画家、名前を失念しましたが
その門を描いた絵が美しく、ぜひ行きたいと思いました


寺は、大きいことだとか、何か特別な仏像がある
ということで、もちろん、そこはそのすばらしさがある
のは、認めながら、そうでない、静かな佇まいというのに
ひかれるということが、多いです


門、だったり、境内のある、角度からみえる、木々だったり
そうした、いわば、地味かもしれないですが、心が
落ち着く場所というのを、みつけるのが好きです


奥村土牛、いいえ、日本画家のある一定の割合の
人の目というのは、まさに、なにげないけど、美しい
という場所を見る目が、素晴らしいという言い方が
できるのだ、と、思います


今年は、奥村土牛と同門で先輩にあたる、小林古径
前田青邨と、つなげて、作品をみることができて、ラッキー
でした。それぞれの、よさを語れるような、そんな広がりが
できるといいなと、思っています