伊藤若冲

久しぶりに、伊藤若冲の絵をみてきました
伊藤若冲は、どのくらいでしょうか?2005年くらいから?
ブームといっていいくらい、人気がでて、アート好きな
人、つまり定期的に美術館に行くというような、ファンで
なくても、名前は知ってるという人もいるくらいと
認識します


鶴図押絵貼屏風


楕円にみえる、鶴の姿。あれ、一瞬不自然にみえる、鶴の姿
でも、観察が好きな若冲のこと、必ずこのかっこをするときがあって
その一瞬をとらえてるのだと、見えてきます


裏切っています
なにかというと、鶴というのは、S字に近い、かっこうで立ってる
と、みんな思い込んでるところがありますね。確かに、形として
美しいともいえるけど、それだけが、鶴の姿とはいえないでしょう
こうした、面白い、そして、愛嬌があるといっていいかっこも
鶴のよさに、違いないです
そして、その楕円を描いてる、その線の勢いのいいこと


例えば、木の枝、たとえば、若冲の代名詞と言っていい、「鶏」
その羽の勢いのいい線。
若冲は、ほんとに、動物が好きで、絵がすきなんだと思えてきます


若冲の、存在を知ったのは、2000年に、京都国立博物館で行われた
回顧展でした。ただ、実際、今とは大違いで、自分自身は
まだまだ、アート見る、気持ちがあんまり盛り上がっていませんでした
つまりは、さっとみた、感じ


それから、絵をみることを、くりかえし、だんだんアートみる
見ること自体を、楽しめるようになってきたといっていいかな
という感じです


若冲の描く、動物、今回は鶴だったり、さきほどもふれた鶏
だったり。表情が生きてるんですね。それがまたいい感じです


おととし、府中市美術館にて、与謝蕪村の絵をみてから
文人の描いた絵にひかれます。とくに、与謝蕪村のほかには
池大雅です
国宝で、川端康成のコレクションで、十便十宜図という
池大雅与謝蕪村の競作といってもいい、絵があります
これも、最初は「ふーん」ぐらいだったのです
ですが、池大雅であり、与謝蕪村のほかの絵などを
見るようになって、「おお、これはすごいじゃないか」って
やっと、そのよさに、近づいてきたという感じがあります


こうした、文人画(と、ここではくくっていますが、文人画というのは
たまたま、池大雅らが文人と呼ばれて、あこがれるから言ってるだけ)
やっぱり、表情がいいんですね
十便十宜図なんていうのは、気ままな、田舎暮らしのよさを,謳歌する
絵といっていいと思うのですが、そこに描かれてる、人物のまあ
なんと、リラックスしてだったり、まさに人生を達観、いい感じの
表情なのを、表現してると、見えるのです


おととしの、府中市美術館の与謝蕪村の絵のあれこれは、ほぼ同じ
コンセプトにて、絵を楽しむ、視点を広げてくれたと、うれしく
なります


若冲池大雅、蕪村、だいたい、同時代に生きたと
言っていい、18世紀の日本ですよね
この、画家がいて、おそらくは、絵だったり、俳句、また茶の湯
遊んだ、商人たちが支えたということがあるようです
ここらも、17世紀に、平和を手に入れた、日本の江戸時代の良さ
そうした、平和の報酬といってもいい、すごいことと、思えます


伊藤若冲の絵は、ジョープライス夫妻のコレクションだったのを
日本の美術館が購入して、里帰りをはたしたということらしいですね
うれしい話です。それはジョープライスが愛して、また日本に
もどしてくれた、両方うれしい、ですよね