人が育つということ

思い出のマーニーという、イギリスの小説
数年前、ジブリでアニメにもなってるので
知ってる人は多いかもしれません
この小説がとても、好きです


主人公のアンナは、いつも、「つまらなそうな」顔を
してることで、自分の周囲の人と、壁を作ってしまう
そんな、ちょっと大人にしたら、おそらくは、扱いにくい
少女。簡単にいえば、その少女が、田舎暮らしをはじめて
その暮らしのなかで、不思議な少女に出会い、その少女と
親しくなっていく。またある事件が起こって
そんなことを、通して、人と人の接し方、愛し方
といったことを、学んでいくというストーリィ。


よくある、とも、いえるこの小説がとてもいいのは
まずは、田舎ぐらし、また少し心が、へこんでる人に
なにが、必要なのかということを、教えてくれるということが
あります


あたたかな、家と、たっぷり、あたたかな食事
そして、大事なのは、まわりが放っておいてくれる
ということになろうかと思います


子どもにとって、放っておかれるというのは
よくない、ということと、実際放っておいてくれたほうが
いいということと、両方あって、アンナは両方に恵まれた
といっていいかもしれないです


放っておくということ
これ、実際、難しくなっていますね
とくに、令和の時代の日本において、少子化ということがあって
子どもひとりへの「目」というのが、相当あるという事実
さらに、早く言えば、親世代についても(自分が、実子が
いないのに、こういう言い方は、石がとんできそうですが、
あえて書きます)子離れができない、という実態が
かいまみれるなか、放っておくなんて、ことは
難しい


さらには、おそらくは、昭和であれば、まだ地域コミュニティ
というのは、元気なことがままあって、そうなると親は
家の近くにいれば、近所の誰かしらの「目」合って、放って
おくというのも、できた・・・


思い出のマーニーで、田舎暮らしの、おうちになる、老夫婦は
絶妙な「放っておく」ということを、していきます


河合隼雄先生は、著書のなかで、子供にときに必要なのは
家出に近いことができて、そのときに、隠れ家になるような
そういう居場所があるということなのだと、説明します


もっとも、河合先生も、そうした、隠れられる居場所は
存在するのが、ほんとうに難しいとも、その記事のなかで
説明もします


思い出のマーニーは、そういう意味でも、子育てのいろんな
ヒントが詰まった、小説ともいえそうです
多くの小説がそうのように、アンナのまわりでは、ハッピィエンド
に近い、人間関係の好転があって、進みます


さて、企業内において、人材育成ということで、この小説も
ヒントだなと思うこと。やっぱりある程度「放っておく」
ということが必要なのだと、感じます


ただ、本当に放っておくのであれば、一定の失敗は見込んで
やらなければ、ならない。そう、そういう余裕が企業にあるのか
そういう問題になりそうです