うつわの話

日本には、「うつわ」の文化があって本当に
楽しく、豊かだと思うことがたびたびあります


本を読むと、世界中探しても、日本のうつわほど
バリエーション、その色、形、コンセプトなど
いろいろで、楽しめる国なんてないと書かれています
私は世界中旅してないので、確かめてないですが
おそらく、そうなのでしょう


そして、そのバリエーションのひとつ、「陶器」だけ見ても
日本に、「窯元」といわれる、作家たちは、数千人?いいえ
もっとでしょうか、いるのだろうと思います
もちろん、「スター」といっていい、成功してる人と
まだ、本業で食ってくのは、なかなかという人と
その間くらいの人とか、いろいろでしょう
ですが、相当数の作家さんが、オリジナルなうつわを作って
そして、買う顧客をもってるということがあるんですよね
すごいなと思います


「オリジナルなもの」を楽しむというのは、うつわでは
結構手軽にできます
実は昨日、そこそこ親しくさせてもらってる作家さんの
個展にいって、友人の結婚祝いに、湯飲み茶わんをセットで
(よくいうところの、夫婦茶碗みたいに)購入しました


このプレゼントは、「オリジナルなもの」ということ
「私が選んだ」ということで、「特別なもの」といっていいと
思います


実際選んだうつわにしても、同じ形態のものは10個ほど、ならんで
います。ただ、それらを並べてみてみると、そこは「手作り」
ですから、ちょっとした釉薬の濃淡だったり、おそらくは火の
いろいろの加減ということか、ちがうのです
「面取り」、ろくろで球面を作ったあと、けずって多面体にする
というやりかたをしてあるのですが、その角の雰囲気が
微妙にちがっています


こうした、製品としてはいっしょなのですが、よくみると
その一個が、オリジナル、手作りで世界にふたつとない
ものなんだと思えて、これまた、楽しいのです


うつわ、について、「使う」ということが大事と
教えてくれた人がいます
うつわ、使うからそのうつわのもつ、いいものが自分が受け取れるのだ
と、その人は言いました。だから、その作家さんですが、自分が
持ってる人間国宝のうつわも、自分はしまっておくなんてしなくて
使うんだと、教えてくれました


そう、実際お値段で決めるわけではないのですが、たまに、そこそこ
お高いうつわを手にしたとして、つい、手に取るのが、ちょっと
気が引けると思っていたことがあるのですが、「使ってこそ」
ということを、学びました


備前にいったとき、話をしてくれた、金重さんは、うつわは
使って育つのだ、という話をしてくれました
こうなると、使うから、「自分のものになる」という、まるで
生きてるという感覚があるのだということも、教えてもらいました


うつわを、贈ると決めた相手と、しばらく使ってもらって
その使い心地などを、後から聞くなんてことは、贈ったこちらとしては
ぜひほしい、ことですね。
そして、別な機会に、誰かから、そうした好意をうけたときに
そのお返しというか、おそらく相手がほしいこととして
自分の使った、様子などを、フィードバックするということがいいのだと
今、この文章を書いていて思うことになりました


「やりとり」するってことが、大事とくりかえし思います
人はやりとりすることから、学びがあり、自分を生かすなにかを
みつけることができるのだと、思います
うつわ、が、生きたものとして、存在するなら、うつわが「触媒」
となって、人と人を結ぶだとか、あっていい、いいえそういう
やりとりを、めざすのがいいと、思えたのでした