山田太一好きです

早春のスケッチブックという、テレビドラマの
作品があります
父親と母親、それぞれ再婚、かつそれぞれ連れ子が
いるという、家庭。その母親のかつての恋人?というか
昔の男の友人が、あらわれて、騒動が起こるという
感じ


息子に、かつての恋人がいう
平凡な家庭が大事なんて思うな、好きなことをしろ
誰も想像できないような、すごい感動を味わえる、そういう
人生があるんだ、「好き」を大事にしろ(という意味のセリフが
あったと思います)


平凡な幸せを求める家庭といった、そのころ大事に
されてる、価値観に、一石を投じるような、そういうコンセプト
山田太一の、切り口のいいところといっていいかも
しれません


昨日、NHKクローズアップ現代では、いくつかのテレビドラマ
その出演者に、思いを語ってもらう、であり、現在の人気の
映画監督、脚本をやる、是枝監督に話を聞くという設定で
進行しました


ふぞろいの林檎たち」の主役(出世作といっていいと思います)
中井貴一は、一流とかとは言えない、そういう庶民への応援歌と
いっていいと、話します


印象的な、セリフとして、高齢者のいろいろを扱った、ドラマで
「いままで、してきたことで、敬意をはらわれる、それはおかしいのか?」
と問いがでる


また障碍者のいろいろのドラマでは
「あなたは、むしろ、迷惑をぎりぎりのところで、かけなければならない」
健常者の態度に思うことを、言ってるセリフがある


見直してみると、すごく新しい。古びていない
すごいと思う
そのときであれば、「衝撃」といっていいのかもしれない
テレビの、すごさ、がでてる、そういう番組といっていいのでは
ないでしょうか


昭和38年生まれの自分、自分を含み、近い世代10歳くらいの
話でいえば、よく「テレビっ子」という言い方があって
ほんとに、テレビで育ったといっていい、様子があったと思います
人気のバラエティはみんなみていて、そのシーンが当然のように
次の日には話題になっていました


山田太一は、どちらかといえば、まだまだ若い、作り手として
自分たちのいいたいことを、代弁してくれてるような
感覚もありました


一方、是枝監督も言ったところの、「男たちの旅路」では
戦争帰りの世代の上の、鶴田浩二演じる、準主人公が、若い世代に
なにかを言って聞かせる、モラルとはこういうこと、みたいな
そういう雰囲気が、ちょっとかったるくて、いやということも
ありました
山田太一も上の世代として、そういうことをいわしめる
なにかを持っていたといっていいかもしれません


山田太一は好きな作家です
亡くなったということが、悲しいもあるけど
悲しい以上に、時代が変わるということを、感じるなにかに
思うのでした