梅の香り

梅が咲きます
梅の花の香りは、気持ちをあげてくれるように
思います。横浜では、梅の名所、三渓園があります


三渓園の園内には、水の流れに沿って、遊歩道があって
その遊歩道に梅が咲きます
三渓は、私有地に関わらず、市民にこの庭園を
開放していたといいます
こうした、豪商と呼ばれる人が、庭園だったり、持っていた
絵画を、市民にも見てもらうという、発想をもった
というのは、本当に高い心といっていい、すばらしさでしょう


三渓の住まいがあったという、ほどちかくには
臨春閣、聴秋閣といった、まさに季節を愛でる名前の
ついた、建物が配置されここにも、水の流れがあって
茶を楽しんだということが、わかります


横浜は、幕末に港が開かれて、発展した街です
そういう意味では、城下町ではないので、お城もないし
お殿様のなにかしらから、残ってるといった産業だとかは
ないんですね
幕末に、港が開かれた、港があれば、仕事があるだろう
ということで人が集まった、街でしょう
横浜に生まれ育った自分としては、旅行して、城下町に
行ってそこの、なにかいい景色だとか、おいしいものに
ふれたりすると、あこがれがあったりします
具体的には、金沢の街、松江の街などは典型といっていい
ですね。建築、庭園、お菓子はじめ、おいしいもの
お殿様のやった足跡が残っているといっていいです


そうういうなかでも、庭園というのが、横浜にはほとんど
「古い」という意味ではない。ひとつだけあげられるとしたら
三渓園なんですね。そういう意味でも原三渓さんのすごさが
際立ちます


ここ、2年ほどでとても気になるようになった、日本画家、小林古径
三渓の支援があったということで、横浜に住んでいたことが
あるということを知り、また原三渓の存在がいいなと思ったことが
あります


アートを愛でる
そして、自分がいいと思ってるだけでなく、広く市民にも知ってもらう
そうした、心の高さがあって、経営者でいる。すごいですね


好きになった小説、夏川草介 「始まりの木」で、作者は
民俗学者柳田国男は、なぜ日本の農民がこんなに貧しいのか
その点を変えたい、そういう思いで、民俗学者になったという
説明をしています


学者、というか生き方を選んだと、拡大解釈するとすれば
それくらい、壮大な思いをもって、生きるということが
ひとつの生き方の、王道といっていいのかなと、その説明を読んで
思いました


ずっと住んでる横浜にも、あこがれる、お手本といっていい
三渓という、存在がある
生き方ということで、ほんの少しでも、マネできたらいいな
そんなふうに思います