器をめぐる旅

10月に愛媛県、砥部に器をみに行こうと思ってます
その前哨戦っていうような、感じで、表参道に
岩井窯の展覧会を、見に行ってきました


岩井窯の山本教行さんは、去年の夏休みに鳥取の窯を
訪ねてから、知り合いになりました
いきなり、訪ねたのに、いろいろとコレクションを
見せてくれて、山本さんの陶芸に対する考えを
聞く機会があって、とても興味深く、耳を傾けました


器は使ってこそ、その良さがわかるんだよ
という言葉は、実践してるつもりです
料理がすきな、自分は使ってこそという言葉は
力強く響きました


山本さんの、土鍋を普段使いに使っています
朝、野菜を蒸してみたり、煮込み料理につかったり
これから、10月にもなれば、湯豆腐で使うことになるでしょう
とくに、湯豆腐なんてわかりやすいのですが
おとうふをいれて、そのふつふつと、だんだんあったまる様を
みていると、それだけで、心があったまります
あったまりかたが、まるでとうふが、いい湯加減の湯船で
気持ちよさそうにしてるように見えてきます


口にいれます。あったまり具合を確かめながら。
湯豆腐という単純きわまりない、料理なのですが
なんで、こんなに心をゆたかにしてくれるんだろうと、うれしくなります


山本さんは、浜田庄司であるとか、おそらく日本中、世界中歩いて
いいなと思った器は、それが人間国宝であろうと、普段使いに使う
ということをしてるのだそうです
そうして、予約制ということで、奥様が作られる料理は食べられなかったのですが
土鍋で炊いたご飯のおにぎりはいただいてきました
素朴な、力強さを感じました


器をめぐる、いろいろは、ひとつは、人間への興味ということが
あると思う
人に相対して、私はときどき、その相手がなにかしら、自分の生きることに
ついて、ヒントになるようなことを、伝えてく立場にたつのですが
「いい生き方」をしてる人に会うことが、そうした仕事をするのに
最大の、栄養になっていくと感じてる


山本さんがそうだと思う
そして、今年あった人では、水野半次郎さんがそうでしょう
お名前はわからないですが、多治見の水月窯にいらした方も
そうだと思います
器を作ることに、人生をかけてるのでしょう


山本さんの行動をいつくか聞いてると、若い人を育てようという
気持ちがそこここにあるようで、そのことがまたうれしくなる
しかも、その育てようという気持ちにあいまって、力強く生きるって
いうことを伝えたいという思いがあるように感じる


私は、ひとつの会社の社長として、いろんな課題を目の前にするとき
生き方が力強い人は、その課題を必ず乗り越えると、感じるときを
何度も経験してきた
そして、力強く生きる、その源泉はなんだろうと、考えて考えて
いまにいたる
山本さんの、若い人に対する思いは、おそらく自分が器作りを通じて
もらってきた、仕事を通じて感じてきた、生きること、生き方を
伝えていきたいという、思いがあるにちがいない


岩井窯の展示会にでかけてみたけど、今回は山本さんとはタッチの差で
会えませんでした。けれどまたいつか、会いに行きたいと思います
生き方を、また感じたいと思うから
あの土鍋から感じるあたたかさと、いっしょに