土鍋の話

昨日は休日で、朝がゆを作って、楽しみました
このとき、用いるのが、伊賀、土楽窯の、土鍋です


やきものが好きになって、いっとき土鍋の存在に
とても、ひかれていたときがあります
土鍋の魅力、それは食材をおいしくしてくれることです


かゆにして、食べると、そのお米の味自体をじっくり
味わうことになります。もちろん、かゆでなくて
自分の好みで炊いた、ご飯自体、それは大事だし
好きですが、たまにかゆで食べると、また一味ちがう
コメの味が、でると、思います


土鍋は、あたたまりかた、そして冷めていくゆっくりさ
というのが、普通の金属の鍋と全然ちがいます
そのあたたまっていく、ゆっくりなこと、また、さめていくとき
いい風味がでるのだと、感じます


土鍋で大事な料理のひとつに、湯豆腐があります
豆腐が、まるで、おふろでゆらゆら、揺れるように
そんなふうなところで、ひきあげて、口にいれたときの
幸福感。これはたまりません


豆腐というのは、こんなにも豊かな気持ちに
させてくれるものかと、うれしくなります
土鍋、あってこその、あたたまりかた。いいなと思います


食べ物について、「食感」ということが大事
ということが、あります。ここからも、いい感じの
器を使うことで、その食感をより、いいものに近づける
ことができる、ということもあります


土鍋のなかで、ゆれている、豆腐。その揺れ方を、じっくり
みていると、どのくらいの揺れ方をしたら、食べごろか
わかってきます。そうしたことに気を遣う、そういう時間が
いとおしくなっていきます


伊賀の土楽さんにお邪魔したときは、みなさん
忙しいタイミングだったのか、お話もそこそこ、作品は
勝手に見ていたのですが、そんななかで、求めて
失礼しました。お話できなかったのは、残念。
そのかわりではないですが、伊賀の、日々窯というご夫婦で
やってる窯元で、ずいぶん長居をさせていただき
やきものの、話、伊賀の話など、聞かせていただきました


窯元にいって、もちろん作品をみたり、選んだりが
楽しいのですが、その作家さんの、ものづくりの話を聞く
のは、とても楽しいことです
日々窯さんの、窯をおける場所をさがす話なんか、現実感も
あいまって、とても興味深くお聞きしました


お話し好きということでは、我が家で、湯豆腐のときに
登場する土鍋を求めた、鳥取の岩井窯の山本さんが
浮かびます
私はこのかたのひとことから、うつわは使ってこそ
よさがわかるということを、学びました。いまほんとうに
そうだと思います


夏が過ぎれば、実りの秋ですね
少しそうした季節も待ち遠しい。そんな気がする
晩夏、雨の日に思ったことでした