明日香

永井路子の「あかねさす」を思い出しています


主人公は、万葉集の和歌を入り口に、考古学に
あこがれるようになり、持統天皇の生きた時代に
心をよせるようになる


持統天皇飛鳥時代
そういう足跡を、追うのがやってみたくて
この小説のなかにでてくる、壬申の乱の道筋を歩くといったことを
まねて、明日香から吉野へ、歩いたことがありました


大宅時代の仲間が、万葉集が好きで、甘樫の丘にのぼり
大和三山をみたいと言っていたのを
やっぱり、やってみたくて、甘樫の丘に行きました


本のなかにでてくる、あるシーンのその場所を
実際行ってみたりするのは、楽しいことです
昨日、ちょっとした知り合いにそういう、楽しさを
披露してみました


あかねさす 紫野行き、標野行き 野守はみずや、君がそでふる


永井路子は、あるひとつの、解釈として、この歌を
宴、お酒をのんだときの、ちょっとした、ジェスチャーとしての
楽しみの、うたではないか、と披露してる


額田王は、天智天皇天武天皇の両方に愛された、愛人
さきほどの、持統天皇の、いわば恋敵。
そうはいいながら、もういい歳だったはずの、3人が
また顔をあわせてるときに、青春の思い出、まわりの人も
3人にあった、恋物語を知ったうえで、まだ、そんな
思いを残してると、はにかんでみせる、額田王
やんやの、喝采を送る
遊びのある、大人の世界だと


まだ、20代の前半のあかねさすの、主人公にはそういった
遊びといったことは、受け入れたくない、純粋さがある
ここを、書きたくて、永井路子は、この小説を書いたのかも
しれないですね


ちょうど、自分も就職をどうする
社会にでて、自分はどう生きると、自問自答してるような
タイミングだったので、とても主人公の葛藤などが
自分事として、とらえることができたのを、思い出します


本の記述に沿って、その土地に行く
このことは、自分の旅のあり方に、ずいぶん、影響を
与えたようです
小説も、絵も、その土地が、大事。現地に行ってみるということが
とても、示唆にとんだ、行動になる
思ってみれば、あたりまえのことですが、そういう経験が
いろんな、考え方に影響するのだと、改めて、思うのです