小川糸

小川糸さんが、好きになりました
作品の魅力はいくつもあると思うのですが
今日書きたいのは、脇役のよさ、ですね
ツバキ屋文具店シリーズで、シリーズを通じて登場する
脇役が、くっきり、としたキャラクターそして
主人公鳩子に、いいアプローチをするのです


「代書屋」という、いまどきではめずらしいといっていい
いいえいつの時代でもそんな、職業があったのかと思いますが
生業がキーポイントとして、なんどもストーリィの、要素として
登場します。代書、つまりなかなか対象者に言えないことを
替わりに、手紙に書いていくということ。言えないことだから
人間として、生き方としてどうなのかということにふれることに
なりますね


脇役たちは、主人公の疑似家族みたいな、役割をはたしていきます
こうしたブログに、ネタバレの文章を書いてしまうのは、これから
読むかもしれない人に、迷惑だからやめたいとも思うのですが
ちょっとだけ、ふれますね


主人公の結婚相手の、実家は四国で、実家にあいさつにいくところの
シーンがとても好きですね。いいえその実家の存在は、ほんとうにリアルで
モデルがあるんだろうなと思わせるほど、見事です。そんななかで、主人公は
ひとりっこだし、両親は離婚?なりで、いない、祖母に育てられたという
設定ですね。一方、結婚相手のミツローさんには、四国に両親も姉も、甥っ子
そして、おばあちゃんといて、一家をあげて歓迎してくれます


やりとりが生きてるといっていいですね
このあたりの、文章表現のたくみさが、小川糸の魅力の大きなもののひとつ
といっていいと思います。会話のやりとりの、自然さ、そして心憎い
感情の表現、流れの面白さ


前に、作家が「ノッて」文章を書いてるとき、主人公が勝手にしゃべりだす
とか聞きますが、小川糸の場合はどうなんでしょう。ちょっとそのあたり
すごく興味があります


脇役の、大物といいたくなる、かつての隣人、バーバラ夫人。
最新刊の後半で、主人公をとりまくごく親しい女子と女子会を
やるのですね
そのとき、主人公がそのとき、困ってる、バーバラ夫人の後に
住んでる、女性とのことを言うと、さらっと、ここに呼びなさいといい
実際、登場するのです


この流れ。なぜできるのかは、バーバラ夫人の存在だと思うのですね
そして、まあ女子会なるものは、やらないですが、似てるシチュエーションのとき
バーバラ夫人の存在を自分のまわりの誰だったらできるのかなんて
創造してみるのは、ほんとに楽しいです


小説を読むのは楽しいですね
いまのところ、小川糸、原田ひ香、森沢明夫といった作家が好きだし
新刊など、期待します。それぞれの良さがありますね