型の話

画家、小倉遊亀が、安田靫彦に師事した
ときのこと
「あなたの絵は、型ができている。その型を破ることを
したほうがいい。そのためには、描いたことのない画題を
描きなさい、使ったことのない筆を使いなさい、使った
ことのない、色を使いなさい」
こう、指導されたというのを、3年ほどまえだったと思います
高崎タワー美術館にて、解説で見ました


みたときに、あ、これは「経営の」であるとか「生き方の」
と言い換えてもいいのだ、むしろ生き方そのものといっていいと
感じたのです


認知バイアスということについて、関心をもちました
「何回説明しても、伝わらない」はなぜ起こるのか by 今井むつみ
という本を読んでいます
読んでいて、改めて思うのは、「努力する」ということ
いいえ、型を忘れて、あらたなやり方、新たな生き方を目指して
やるということがいかに大切か、そしていかに難しいかという
ことを、思います


人間、自分を肯定したいと思います
自分がやってきて、それでいいかなと、できるようになったこと
これについて、「捨てる」ということは簡単ではありません
また、本当は捨てなくてもいいともいえます
捨てないで、別のやり方をするということも
あるのですが、捨てないとすると、ずるずると、同じやり方で
ついついということもあるのだと、想像します


人間はどんどん忘れます
だから、一度できるようになったこともくりかえしやらない
とすると、忘れるということがあります
まして、ちがうやり方ということをやったりすれば
なおさら、前にやっていたことって忘れるということでしょう


忘れていいということも、あるのだ
そんなふうな認識をもつというのも、大事だと言えます


好きな小説を読んでいて
「許す」ということがいかに大切かということを
感じたことがあります
自分に対してもある程度寛容でいるということが
生き方の極意ともいえることかなと、最近思います


生き方として、まじめなやり方は、一度できるようになったことを
積み上げて、昨日より今日が少し進歩してるようにする
これが、大事と誰もが思います
だけど、「型」にはまってしまってるということが
ありえると思います
その型を忘れて、別のやり方、いっときは、まえよりなにかの
ことはうまくいかないこともあるかもしれない
それでも、別のやり方をしてみるということ、大事なんではないかと
最近思います


「学びあう」ということは双方向であることが大事と
社員の人に話します
じゃあ、自分はその話してる人から学んでいるのか?
ここが、「いつも」みたいに思うとなかなか、難しいということも
ありますねぇ