美の巨人

山種美術館
日本の原風景を求めてという展覧会を見に行く
川合玉堂
明治から昭和20年代にかけて、活躍した
風景画がすばらしい


雨の絵を描いていて
その画面がとても明るい
このまえ、このブログにも、雨の名前がたくさんある
日本語ってすばらしいという記事を書いたが
雨が、空の変化、音、色を変えていて
画面から、潤いがこちらまで
迫ってくる


雨、水辺の豊かなこと
人の営みが、自然で、山に里に、谷になじんでる
川合のコメント
ずいぶん、いろいろな場所を歩いて、もう自然は
すべて、見て自分のなかにとりこんだ、というのには
自然は無限であり、そんなことはもちろん、できない
ただ、なにか季節の変化なりを感じる切り口で、描きたいな
と思うようなことを、見て感じると、それをすっかり
自分のなかにいれて、描く段になってとりだしたり
してるのです


自然を手本とせよというのは、多くのアーティストがいってることです
その自然に対して、描きたいなという美しいところを
みつけると、すっかり自分のなかにいれておける
という、その川合のすごさを感じる
川合の描く、木や岩肌や、水面の波のひとつひとつが
精緻であり、絵をみたあとに、そういうコメントを
みると、確かにこの人はそこまでしてしまうのかと
感じたりする


安曇野の山下大五郎のときもそうだったのだけど
日本のもっていた、あるいはいまでももっている
風景の美しさは、宝物といっていい、貴重なものだ
東山魁夷は、自然をこわしてる、日本の現状をみて
自然を大事にできないということは、生きることを
大事にできないことです。こんなことをしていたら
早晩、日本はのっぴきならない状況になってしまうでしょう
と警鐘を鳴らしてる
その言葉が、いま改めて重みをもつような、原風景って
すごく大事だな、と感じる、展覧会でした