山極壽一先生

京都大学 山極壽一氏は言う


「人間は、集まって、知恵をだし、移動して人と出会って
学んできたのです」
「例えば、音楽をとおして、ひとつのところに集まって心をひとつにする
これは人間にしかできないことです」


そして、結論づける言葉として
人間は、こうした危機をのりこえるということを通して
生き残ってきたのです。危機が襲うたびに知恵をだし
乗り越える、それが人間の強みです


こうした、言葉は、なによりも自分たちを勇気づける
ということで、価値があると思う


父であり、母、祖父母の言葉ということを、思い出すと
戦争という悲惨な歴史を乗り越えてきた、骨太さを感じる
実際、私は「言葉」でしか、戦争を知らない。だけど
自分が生まれた、高々、十数年前に確かに、戦争があって
国土は焼かれ、食べ物がない状態が何年もあって、という
経験をした親に育てられた


そういう意味では、いまの危機は、まだまだやり方で乗り越える
ということは可能だとも、感じます


ところが。


一番の危機は、人間の心のなかにこそある、といっていいかも
しれません。この4月、5月、なかなかやりずらい、がまんをみんなが
して、緊急事態宣言は、いったんは少なくとも、終えることが
できた。こういうなかでも、「コロナ?ありゃ、かぜだよ」
などと、つぶやいて、みんなで守ろうということを、無視する
人がいるのが、見える


感染症のこの広がりから、なにを学び、そしてどんなふうな
これからの世界を作っていくのか?
知恵が求められます
そして、山極先生が言うように、きっと出口はみつけられる
そうなのですが、一番、その知恵を崩してしまうもとは、人間の
意識なのかもしれません


人間は、複雑な存在で、こんな立派にみえるようなことを
言ったり、書いたりしてる、自分自身のなかにも、ゆるみはあって
人を指導する以上は、と、気持ちのなかで、なにか、表面の
いいことを言って、過ごすということを、やりがちなのですが
人間の、心にある、すばらしさと、みにくさ、そういうことが
両方あるぞ、という、実際、生きていく自分たちがどうする
という視点を持って、いろんなことを、判断したいと思います


企業に勤めたり、そういう人を管理したりする人から
すると、実際、生きていく、食っていくということが
どんなことか、感覚として、わからない、そういう人が多いことを
感じ、少し危険だなと思うことがあるのです


知恵


人間にとって、全方位からみて、いい知恵をだしたい
ですね