歴史の話

ちょっとした、知り合いと歴史の話をして
なにか、お互いが気になってることなどを、交換するのは
楽しいことです。
いっとき、永井路子がとても好きでした
永井は、小説のなかで、仮説をたてて、小説を読ませて
読者にアピール、という方法をとります


鎌倉時代を開いた、源頼朝、そして義経の兄弟
なぜ、頼朝は義経を怒ったのか?
永井は、京都の朝廷を中心とする世界と、鎌倉の
武士の集団の関係を、宗主国と植民地の関係に
近いと読み解きます
そういう背景があって、義経ほかが、平家との闘いに
武功があったということで、官位を授けられ、ということを
とても怒るのです。まったくそうした、時代背景が
読めない、義経・・・


もちろん、ちがう解釈もあります
だけど、永井の観察、エビデンスの出し方は
言ってみれば、歴史の謎を、シャーロックホームズが
推理するように、解いていくそういう面白さがあります


ちょっと似てること、を2,3年前、永青文庫にて見かけました
それは、おそらくは永青文庫学芸員にあたるかたが
だしてみせた、歴史でのエビデンスです
信長の自筆の手紙として、足利将軍へあてたもの
自分の息子を、人質として差し出すというものでした
解説に、後世になって書かれたものを、読んでる
私たちは、信長は勝者で、足利将軍を追放した、ゆえ
信長と、将軍の力関係は、信長が上と思いがちだ
しかしながら、この手紙が示すように、ある時点までは
少なくとも、信長が将軍の力を、認めていたということが
わかると・・・


思い込みとか、ある視点からすると、こう見えるということが
当然なのですが、視点を変えると、どうなのだというと
見るという、歴史の面白さ


英雄たちの決断、という番組で、磯田直史氏が、関ケ原の戦い
ひとつの見方として、江戸時代を開く、触媒として
働いたといえるのでは?という、話をされて、ふーんと
うなったことがあります
視点を変えるとどう見えるか?ここにも、歴史の見方の
面白さを、感じます


歴史を楽しむということは、自分たちが生きてきた物語を
楽しむということになるのだろうと思います


歴史の話をして、いろいろ盛り上がるというのは
なかなか、楽しいことなのですが、相手も一定以上の知識なり
楽しみ方を知らないと、うまく話が盛り上がらないものです


歴史の話に限らず・・・とも言えそうですね
そういう、なにが、お互い盛り上がれる話題をもっていて
会える仲間って、貴重なことだと、気が付きます