絵の話

ある文章を読んでいて
画家が、絵を描くということについての記述にて
たとえば、部屋の壁を赤にするということで
文章だったら、「赤」という言葉から読者が
その赤を想像できるが、画家が絵で赤く描いたら
その赤しかない、赤もいろいろあるけど、画家が
描いたら、受け取るほうはその赤しかないのだと
書かれていました


この文章を読んで、映画と原作の小説を読むとき
という、シチュエーションを思いました
映像にしてしまうと、想像する余地が減るのだと
思いました


ヒーローとヒロインがいて、小説で読んでる限りは
どんな顔、スタイル、服装をした、双方がどんな恋の
場面でということが、文章では書かれていますが
想像の余地はいっぱいあるといっていいですね
そうなのですが、映像でみせられると、その男の顔が
その顔だけにになり、女の着てるものも、そのまましか
頭に入らない、のかなと思ったのです


これはそれぞれ、良さがあるといっていいでしょう
だから、いい作品なら、映画をみて、小説を読みたくなるし
小説で好きな作品が映画化されたら、きっと見たいと
なるのではないかと、思います


「絵」を見るという行為について、先日人に説明するのに
絵を描く人、例えばうちの奥さんはそうですが
どうも、絵を描くように、絵をみるようですと言いました
つまり、手が動くように、その絵が描かれた部分、部分を
追っていくのではないか?という感じでしょうか


絵を見る楽しみは、たくさんあっていいのだと思います
絵を急ぎ足でなく、ゆっくりみるのもいいと、ごく最近
気が付きました。そういうことを意識してゆっくり、たとえば
ある人物が描かれていたとしたら、その表情だとか、複数
描かれていたら、その位置、関係性の想像などを思って
みるとか。はたまた、細かいところ、身に着けてるもの
視線はどこを追っているのかなど、見始めると、いろいろ
でてくるものです


ゆっくりみる、自分が気に入ったものをゆっくりみたりする
そういう楽しみを、ほんとうにごく最近、数年で知ったように
思います
それは楽しいことですね


絵で、とても心が動いたのが、その画家がどんな人生を送っていて
どんな思いで、絵を描いていたのか?そういうことが気になりました
これはもうちょっとまえ、十五年くらいでしょうか?
それは、やっぱり自分がどう生きるかということを、ずっと
思っていて、「絵を描く」ということに人生を燃やしたと
言っていい画家がどんな思いでいたのかというのは、とても
気になったから、なんですね


絵を見たり、画家のことをあれこれ考えてみる
これはとても、味わいのある、深い時間になるのだと
ようやく気付いてきたのです