今の世の中を見ながら

河合隼雄先生の、「カウンセリングを語る」という本があります
これは、今もそうだし、かなり前、自分が代表取締役に就任する
21年前には、そう思っていたのですが、社員を指導していくときの
「教科書」ということになります


「対人援助」という視点ということを、この本のなかで、学びました
あなたが、医者のまえにすわってるとします、と例がでてきます
医者が、あなたの症状について、これこれですといったとき、自分は
どうするか?「勘」に頼るのではないか。たとえば、知識で対抗できる
ものがあれば、知識でやります。ところが医者と自分、専門家と
しろうとです。知識では対抗できない。そうしていくと、「勘」しかない


これと同じことが、先生と生徒、上司と担当者で起こるのです
先生が、さあ、同じ土俵で話そうとか、上司が、上から目線でなくて
あなたの立場にたとうとか、教科書に書いてあってやろうとしても
まず、立場、知識、そのときの意識、全然ちがうのですよと
解説します


そうした、立場のことからはじまり、2年ほどまえに読んだ、1on1のことを
書いてある、社員指導のノウハウ本にはこうあります
あなたは、将来どうしたいですか?と聞いて、その答えが
明確に出てこない人を、責めたり、ああ、あんまり積極的でない
とか低く評価するのは、やめなさい、と、あります
なにを言ってるか?今、令和の時代、これほど、先が見えなくて
不確実性が存在する、世の中で、明るい未来を夢見るって
どうなのよ、と、続きます


「時代」「世の中」ということがあります
今、手に取ってる本、山本幸久 「花屋さんが言うことには」
これは、ブラック企業に勤める人の話からはじまり
おととし、本屋さん大賞をとった、町田そのこ、
「52ヘルツのくじら」は、虐待されてきた、主人公の話が
話の軸として、でてきます


今、書かれてる、作家が描く世の中というのが
どうも、暗い世の中の一部を、そのまま、存在するのだという
認識で存在してるのを、知るということが、必要のようです


ある人が言います。「目標」を持つというのが大事なのは
理解するのですが、さて、自分の目標となると、うまく
立てられないのです、とのこと。おそらく、学生のときから
人に褒められるといったことが、いいこと、みたいに
生きていた、少なくとも一部分はそうだった(そう書けば
自分自身そうともいえる)人が、社会にでて、自分の目標を
さがすというのは、確かに、簡単ではないようです


若いときというのは、たくさん可能性があります
それは確かにそうなのですが、目標を決めるとか、ある判断を
するということは、自分で、自分の可能性のうちの、ある部分に
すすむと、決めると言っていいでしょうね。いいかえれば
ほかの部分の可能性は、捨てるということにもなります


そういう判断、を、するということ、これはまさに「生きる」
ということに、必要なことと言っていいのですが、できるなら
そんなしんどい(と見える)判断はしたくない・・・

 

ですが、判断して、なにかを考え、その考えにそって、経験を
積むということをしなければ、少なくとも「達成感を感じて」
だとか「ちょっとやそっとじゃめげない自分を作って」
といった、なにかしらをつかむというのは、とても難しいでしょう
いいえ、はっきりいえば、そうして、判断しない、言い換えれば
「逃げ」的なことをやるのが、普通になってしまうと、生き生き生きる
というのはできないでしょうね


私は、若い人が、仕事を通じて、元気に、達成感を感じること
つまりは自己実現できることを、望んでいます。そうできるステージを
作るために、いろいろしようと思います


さて、自分のしてることは、はたして、どこまで、どのレベルで
効果があることなのか、検証するのも、うまくなりたいものです