リアリティ

リアリティという言葉、「うーん、そうなんだな、と思う
現実感」というように、訳しておきましょうか
なんといったらいいか、こうしたもともと外国語を日本語みたいに
使うというのは、日本人の得意とするところといって
いいかもしれません。
リアリティ、大事なことです


千住博さん、「私が芸術について語るなら」この本のなかで
図録でみる絵と、実際本物の絵というのは、ぜんぜんちがうのだと
説明します
たとえ話として、ラーメンを写真でみるのと、実際、目の前に
本物のラーメンがでてきて、においもある、そして食べる
というのと全然違うでしょうと、続きます


リアリティ、大事なことだと思います
感動するということにつながると、思います


モネの絵について、くりかえしみていて、ああ、いいなと
思うようになってきたのです(ずいぶん、遅い反応かも
しれません)
十数年前、香川県直島で、モネの絵をみたとき
今年、同じ直島でモネの絵をみたとき
後のほうが、モネの世界が近いようにみえてきたのです
それは、「絵をみる」ということが楽しくなってきたこと
美術館に通って、絵の奥深さ、たくさんの画家の描いた絵
などをみたこと
さらには、パリでオランジェリー美術館はじめ、モネの
世界にふれたことが、つながってるといっていいかも
しれません


少しだけ、遅めかもしれませんがモネの世界はやっぱり
ほんものの絵をみることで、近づけたのだと感じます


なにかを楽しむということは、こういうことなのかなと
思ったりします。いいな、すごいなと感じれる心を
磨き続けるということ、なのかなと


どうも、「上っ面」だけ、受け取るような、そんな会話
そんな、行動というのが、多いように思うのは自分だけでしょうか
それでは、生き方そのものをかけた、誰かの思いといったことは
受け取れないように思います


ただ、はじめは上っ面、なのかもしれなですが、自分が浅いところ
でしか、たとえばアートをみて、感じることができないのでは
なんて、こわがってしまうことは、これもまたつまらないと
思うのです。最初は上っ面でもいい、でしょう。何度も
みたり、いろんな関連したものを、感じることで、だんだん
深めることもできる、そういう感覚でいるということですね


改めて、「想像力」ということが、なにかを楽しむというときに
大事なことだと、思うのです。人間は感情で行動するということが
ありますね
誰かが、うれしいと思ったこと、悲しいと思ったこと
怒ったこと、やる気がどんどんでてることなどなど
どんなふうに、なにかを感じて、思ってるのか想像できるって
大事なことだと思います


モネにもどると、モネが描く時間だとか、季節、天候
などを、いろいろ変えて、同じ場所で絵を描いた
睡蓮の連作は、何百という数描いたのだと、思います
光をとらえる、そういうことを思ったとき、無限の場合わけが
ありますね。自分が納得するまで、同じ対象、光を
とらえようとする。それは素晴らしい、生き方、美への賛歌
とでもいったらいいでしょうか?
すごいことですね


そうしたすごさを、少しでも近づきたい、そう思うことは
自分自身のなかにも、よりよく生きたい、すくなくとも
そうした、素晴らしい生き方をした人のなにかを、近く感じたい
そう思う、時間、そう思える心の磨きかたになる、そんなふうに
思います