保存食

冷蔵庫は、ものごころついたときから
家庭にありましたが、私が生まれ育った家の、台所は
祖母がしきっていたということもあり、保存食がありました
干物、漬物のたぐいです


漬物というと、おしんこを想像する人多いと思いますが
粕漬けというのが、いつもありました
だから、というわけではないのですが、いま我が家の冷蔵庫には
粕漬けがあります
酒粕に、塩をした、鶏肉だとか、魚をつけこんでおく
わけです
生まれ育った家での、鮭の粕漬けは、一冬もつような
塩っ辛さでしたが、そんなふうにはしないで、甘い塩漬けで
1週間のうちには、食べようという、そういうことです


粕漬けにしたりすると、風味が増します
こうして、食べ物がおいしくなるのを、待つのが
スローフードの楽しみ方ですね
今年は、らっきょうの酢漬けも、作ろうかなと
思ったりします


ここ3年くらい、梅が手に入ると、梅味噌を作ります
梅を、へたをとり、よくあらったら、ミソとさとうをまぜた床に
漬け込みます。これを煮て、やわらかくなった梅はうらごしして
保存します


この梅味噌、たとえば、野菜スティックをつけて食べるとか
冷奴につけるとか、食べかたはいろいろです
この梅味噌も、冷蔵庫で保存して、味を熟成させるという
スローフードです


仕事をしていると、時間をいろいろかけるというのが
しんどいですから、料理といっても、短時間で
ぱぱっと用意するのが、どうしても増えます
おしんこも、我が家では、即席漬けがメインです
これはこれで、結構おいしかったりするのですが
スローフードが恋しくなる時があります


スローフードは、いってみれば、てまひまかけた
自分だけの世界です
そして、そうやって、てまひまかけてやることが、いやしというか
自分だけの世界で楽しんでることが、なんていうか、気持ちの
余裕につながる、気がするのです


子どものころ、すきだった、じいちゃんは、塩からをつくるのが
うまかったのですね。つけもの、そういうふうに
人を喜ばすのも、いいアイテムですね


銀座5丁目にある、GINZA長野において、保存食の
本を買ってきました
ジャムだとか、マメの煮方、日本人が大切にしてきた
保存食のあれこれが、書かれています
長野の、山々が見える風景を思い出しながら
保存食を作るのは、気持ちがなごむ、作業に
なりそうです。いくつか作りたくなりました